鋸歯からの大無間山 右手のピークが大無間山 左手奥は朝日岳
朝7:00過ぎに名古屋駅を出発。豊橋で乗り継いで金谷へ。ここから大井川鉄道に乗り換えた。
急行の蒸気機関車(アンパンマン号)は満員。普通の電車は空いていた。
大井川鉄道には全国から色々な車両が集まってきている。それも当時の塗装のままなので、近鉄特急とか小田急とかが突然現れてびっくりした。
千頭駅は『アンパンマンショー』でごった返していた。寸又峡温泉行きのバスも満席。
寸又峡温泉は「ひなびた山間の温泉」とかって話だったが、観光客がいっぱい。現代的な建物もあって、予想とは大違いだった。
腹ごしらえをして、寸又峡温泉を後に歩き出した。夢の吊り橋を渡って、数百段の階段を登ると、展望台があって観光客はここまで。対岸には朝日岳の急峻な尾根がそそり立っていた。
その先にゲートがあった。当然ゲートは閉っていて、『関係者以外立ち入り禁止』と、書いてあった。
ゲートの左端が梯子になっていたので、そこを登って越えた。
いよいよ長い林道歩きが始まった。ここから千頭ダムまで約10Km。そこから尾根を標高差で400m程登り、4Km程林道を歩くと大樽沢の出合いである。
寸又川の右岸林道を延々と歩いた。途中に3つトンネルがあった。いずれも照明はないので真っ暗。ラテを出さないと歩けない。やがて現れた千頭ダムは立派なダムだったが、人気はなかった。そこから一気に尾根を登った。
登山道は二本の林道を横切る。横断する2つ目の林道の交点は「お立ち台」と名が付いていてヘリポートになっていた。展望も良く、黒法師、前黒法師、不動岳等を遥かに望む事ができた。
林道はもう嫌になっていたが、気を取り直して大樽沢出合いまで約1時間を歩き切った。
大樽沢は大きな沢で、林道の橋の遥か下方を流れていた。沢へは降りる事が出来なかった。水は、登山道を2〜3分登った所に枝沢があって、そこで得る事ができた。
対岸の不動岳の山頂に日が当り始める頃に幕営地を後に出発した。
大樽沢出合いの橋の左手に『大無間山』登山道の標識があるが、入れない様に木が渡してゲートになっていた。
そのゲートを跨いで入ると、桟道があるが、殆ど朽ちていて落ちる寸前の状態になっていた。最初はしたがって大樽沢を右岸から取付くがワサビ田跡への登りの直前で沢を渡る。ここにも橋があるが腐っていてとても渡れなかった。沢身に降りて岩を飛んで渡った。
ワサビ田は石組みが残っているだけで水も枯れていてワサビはなかった。地図にあるワサビ小屋とか大樽小屋は影も形も無かった。
ワサビ田からの登りもかなりな急登であった。やがて樺沢からの道が合流してくると左手にガレが現れた。「樺沢のガレ」である。登山道はガレの近くを通っていたようだが、侵食されて殆どなくなってしまっていた。辺りは笹の草原なので、その後の登山者が勝手に付けた踏み跡が沢山あった。この道は手入れはあまり良くないが、赤ペンキや赤テープはしっかり付いていて踏み跡もしっかりしていた。このガレの様な笹薮で時々分りにくくなるが、不安になったらその前のマークまで戻ると簡単に正しいトレースを辿る事ができた。
樺沢ガレからは池口岳、中ノ尾根山、信濃俣等北西方向の山々が見えた。つくづく深南部は山深いと感じた。
さて、1883.1ピークを過ぎて少し下ると、そこが三方窪だった。草原の中の気持ちの良い窪地だが景色は良くない。そこから急登を登り、暫く進むと三方嶺の山頂に出た。ここからは光岳、上河内岳等の主稜線の山々も望む事ができた。しかし本当に遠かった。
山頂部を過ぎて下ると足下に三隅池が見えてきた。予想に反して大きな池だった。ただ池と言ってもどす黒いドロッとした水が縁の方に少し溜っているだけで、このままでは無くなるのも時間の問題かと思われた。
三隅池からは暫く単調な樹間の道が続き、急登にかかると大無間の山頂は遠くなかった。
山頂には数張りのテントが張れる場所があり、立派な標識が立っていた。この日の予定はここまでなので、人気が無いのを幸いに、山頂の真中にテントを張り、水場へ向かった。山頂から南の尾根を3分位で『水場』の標識に出合った。そこから標識と踏み跡を頼りに沢の源等へ下ったが、5分程でガレ場になってしまった。結局水は得られなかった。大樽沢から持ち上げた水でもう一日しのぐ事となった。
夜半から強風が吹き続いていた。しかし大無間山頂は周りをシラビソの雑木林に囲まれているので、テントも揺れない位で安眠できた。
田代中からのバスは一日2本しか無い。12時半頃に畑薙ダムを出てくるバスに間に合わせる為、早起きをした。
大無間から小無間まではシラビソの林の中の担々とした登山道だった。シラビソに遮られて視界も殆ど無い。
大無間山頂から少し下った所に一箇所展望の開ける所があった。ガイドブックでは「赤石山脈の展望台」とか書いてあったが、北の方はガスがかかって見えなかった。正面に富士山が大きなシルエットで聳えているだけだった。
中無間山で登山道は右に折れる。この当りは倒木が多く、倒木を迂回しているうちに登山道から外れてしまったりするので注意が必要だ。しかし概ね踏み跡はしっかりしており、目印もふんだんにあるので迷う心配は無いと思う。
小無間山頂からは『鋸歯』と呼ばれるアップダウンの多い瘠せ尾根になる。小無間からP1への下りはとんでもない急傾斜でどこまでも下らされた。近付いてくるP1のピークがどんどん高くなる。それに比べればP2は目立たないピークで直に過ぎてしまった。P3はまた大きい。P2-P3コルからP3への登りは岩壁を木の根を掴んで強引によじ登る様な所が多かった。P4には「小無間小屋」と言う小さな小屋が建っていた。 以前にあったと言う無線のアンテナと中部電力の小屋は今は跡形も無い。P4からは大無限山や朝日岳が良く見えた。再びシラビソの樹林に入ってここからは延々と下りが続く。足が痛くなって下るのが嫌になった頃、1085ピークに着いた。ここで登山道は左に大きく折れ曲がる。自動車のエンジン音や下界の騒音も聞こえ始めた。
やがて登山口諏訪神社が現れ、一息で畑薙ダムからの車道に出た。車道を右に取ると、バス停の前に民宿「ふるさと」があった。
ともかく辿り着いて、ビールで無事の下山を祝って乾杯した。このビールの美味しかった事。
「ふるさと」は『田代温泉』の看板も挙げていてお風呂に入れてくれた。透明だが強いぬめりのある気持ちの良い温泉だった。
温泉に入って、食事をしてビールを飲み、無事に12時50分のバスに間に合った。ここから静岡までは約3時間の長いバスの旅。やはり深南部は遠かった。
8/10(月)【晴れ】
12:40 寸又峡温泉(795m)
13:23 夢の吊橋(565)
14:11-14:29 林道で休憩(635)
15:09 千頭ダム(645)
15:37-15:46 林道1を横断(830)
16:19 林道2を横断(お立ち台ヘリポート)(1055)
17:08 大樽沢出合い(1135)
8/11(火)【晴れ後曇り】
06:24 大樽沢出合い(1135)
06:59 ワサビ田跡(1335)
07:29-07:37 休憩(1515)
08:43 樺沢ガレ(1815)
09:26 三方窪(1820)
10:31-10:46 休憩(2045)
11:04 三方嶺(2145)
11:25 三隅池(2065)
12:22 大無間山(2330)
8/12(水)【曇り後晴れ】
05:30 大無間山頂
06:16 中無間山
06:53 唐松谷ノ頭
07:06 小無間山
07:35 鋸歯P1のコル
07:52 P1
08:05 P2
08:28 P3
08:51 休憩
09:04 P4(卯山)
10:33 休憩
10:43 田代中(民宿ふるさと)