三方崩山・弓ヶ洞谷右股

飛騨の怪異な山・白山の前衛峰の一つ(#2005019)
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三方崩山々頂から北に張り出した急峻な尾根へ真一文字に登っているのが弓ヶ洞谷だ。
 2005年4月25日(月)
CL:四方、三宅

 斜め向かいの帰雲山と同様、天正13年(1585)の白山の噴火によるで地震で至る所崩壊したと言われる奇怪な山容の山、それが三方崩山だ。
 この奇怪な山はその名前と共に以前から気になっている山の一つではあった。たまたま今回チャンスがあって山行を計画できた。しかし、どこを取ってみても、穏やかの所の一つもない厳しい山であった。

 写真・記録:四方

 多治見の駅で朝一緒になって、高速道路で荘川ICを目指した。
 荘川ICで降りると、御母衣湖はもうすぐだった。御母衣ダムを眺めて、平瀬へ下る。国道156号線は平瀬の町をバイパスして抜けていた。衛生センターの前から林道に乗り入れ、簡易水道の取水点の付近まで進んだ。この先はもう廃道に近くて車は入れない。

4月25日(Mon)  見えているのに着かない遙かなコル。

 平日の山は静かだった。いや、この時期飛騨のこんな奥の山に来る物好きも少ないか…
  林道に車を止めて早速身支度をして歩き始めた。辺りはすっかり春、いや初夏の装いであった。
「本当にスキーが出来るのか??」
 でも、しばらく林道(跡)を進と雪がチラホラ出て来て、合間には蕗の薹が顔を見せていた。タラの芽も膨らんでいた。30分程歩いたところで、雪は途切れなくなったのでスキーを付けて歩き始めた。
 行く手には弓ヶ洞谷の上部も見えてきた。やがて二股に着いた。左股は狭い上急傾斜。沢の真ん中を雪崩の跡が真っ直ぐに通っていた。それに比べれば右々は広くてスキーには良さそうだ。ただし記録によると、この入り口付近に滝がある。覗いてみると…確かにあった。しかし「雪が割れている様な状況ではない。完全に露出して大変な水量でドウドウと流れているではないか。これを見て、一時は登行を諦めかけた。直登は考えることすら無理だが、手前の尾根から大高巻きで巻けば何とかなりそうだった。僅かな雪と今にも抜けそうな小枝に掴まって、急な尾根をスキーを担いで這い上がった。
 夏に沢登りをしているので、こういった微妙な藪は自身があったが、
「落ちたら間違いなく死ぬな。」と、思わせる急斜面だった。

林道終点。
本当に雪があるのか心配な状態。
尾根に上がって一息
振り返ると帰雲山の大崩壊が凄まじかった。その奥には猿ヶ馬場山も見えている。
怪異な山頂付近の遠望。
これが右股。目的のコルもはっきりと見えた。

 尾根に上がって一息。やっと景色を楽しむ余裕も出来た。
 後には大崩壊地を抱えた帰雲山、そして低い針葉樹に覆われ猿ヶ馬場山が美しかった。
 尾根をトラバース気味に滝の上に出た。滝上からは広大な雪原が広がっていた。しかし思ったより傾斜はきつく、一面デブリの跡だった。気温も高く雪は腐って、
「この雪は全部雪崩れるのじゃないか?」と、心配になった。
 ともかく、シールを張り直して登り始めた。腐った雪は重くてシールが滑らない。スキーの上にも重い雪が乗って、ただでさえ重い一歩一歩が重くなる。歩いては眺める。天気も良くて山の景色は楽しかったが、肝心の目的地であるコルはなかなか近づかない。デブリの中を一歩一歩進む。
 歩いても歩いても、登っても登っても、目標のコルは近づかない。すぐ目の前に見えているのに…そう言えば去年の猫又山もそうだった。富士山もそうだった。目の先に見えているのは、近くに見えても遠いのだった。

 

 しかし、 努力はいつか報われる。やっと着いた。コルは栂の大木が茂っていて、南西の方面はちょっと遮られていて山頂は見えなかった。それでも奥三方岳や白山はもう指呼のうちだ。
 このコルは山頂から北へ張り出した狭い尾根の末端近くにある。そのため尾根からは雪庇が張り出していた。僕たちはこの雪庇の隙間からコルに上がった。

 最初の滝の高巻きとこの沢の登りで思いがけず時間を使ってしまったので、山頂は諦めて滑ることにした。雪は緩んでいて柔らかいが、結構な傾斜である。春の腐れ雪で抵抗も大きい。
 登りで足は売り切れ気味だけど、ここはジャンプターンで降りるしかない。写真を撮ったりして、短めに切って滑った。
 登りで苦労した高巻き点は尾根をトラバースして、左股へ抜けて下った。ただし左股の入り口には数個の堰堤があった。今回は幸い雪が続いていて、スノーブリッジはおっかなびっくり渡ったりして何とかスキーのまま降りたが、雪の少ない時は少なからず苦労しそうだった。

 

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