黒部源流の沢登り(東沢本谷)
【計画書#2005004】

天候にも恵まれて、静かで深い山に抱かれた4日間。黒部の楽しい沢。
 
4日間のウチ、雨に降られたのは稜線の半日。沢の中は晴天に恵まれた。
とは言え、奥黒部の朝は寒い。気温5℃だ。水にはいると寒くて。。。太陽が恋しい早朝の沢。
 
 

日時:2004年8月12日(木)〜15日(日)
パーティ:四方(CL)、村瀬(SL)、石川、高橋、小林、青山

 
     

 お盆休みなのでいつもと違って皆余裕があった。前日(11日)のお昼過ぎに名古屋を発って、扇沢に向かった。途中七倉荘の駐車場でTをビックアップ。彼の車は帰りの足として七倉にデポずることにした。
 扇沢についてテントを張った。まだ時間は早い。ちょっとした宴会を開き明日からの沢の無事を祈って就寝。
 朝は後発のKと合流。準備をして出発。

 2004年8月12日(木) 晴れ


 初日は特筆することはない。さすが夏休み、人では多い。扇沢でキップを買うのにこんなに並んでしまった。(下の写真)
 トロリーを下りてからは、黒4ダムから黒部湖に沿って、延々と歩き続けるだけだ。
 とは言え、「湖畔の散策」と思うと大間違い。切り立った激流の黒部川をせき止めて作った湖だけあって、湖畔を巡る路は高巻きの連続だ。
 登ったと思うと下り、下ったと思うと登るのだ。それも急傾斜のハシゴの連続。
 いやもう、ホントに嫌になる位だ。天気が良いのは嬉しいのだが、太陽に照らされて暑いの何の。楽しかったのは風に吹かれ、渡し船での湖上の一時の涼だった。

 ともかく一日歩いて奥黒部ヒュッテに着いた。Kがわざわざ持ってきてくれた鮎を、これまたわざわざ持ってきた炭のグリルで焼いていただいた。美味!さて、明日は岩魚を食べることが出来るのだろうか。

日数が多いので荷物も多い。↑

 遙かに赤牛岳が見える。今日はあの麓近くまで行くのだ。 
 
↓こんなハシゴの連続→ 


 ←湖上を遊覧船は行き来するのだが。遊覧船は途中下船できないので歩くしかない(!!)。
 意地悪としか思えないような気になる。

 ↓しかし、そんな我々にも救いの船が。。。平の渡し舟。
 船上ではしばし観光客の気分。

黒部湖が始まる所(=黒部川が黒部湖に注ぐ所)↑
振り替えると遙かに五色ヶ原が美しい↑
 
 2004年8月13日(金) 晴れ


 いよいよ、沢に入る。前日キャンプ場の近くで沢に足を浸してみたのだが、これが冷たかった。1分も浸けているとしびれてしまう程。そんな沢の中を今日は行くのだ。
 さて、どうなることか。
 朝は涼しかった。気温は5℃だそうだ。
 読売新道を少し行った所から沢に下りた。ゴルジュで水量も多い。最初は巻き気味に左岸を行った。
 しかし、どうしても渡渉をしなくてはならない所が現れた。まだ太陽は見えない。
 覚悟を決めて、朝の冷たい水に入った。冷たさで頭の心まで痺れそうな渡渉だ。
 昨日は太陽に照らされて、あんなに沢に入ることを渇望していたのに、今日はできることなら沢には入りたくなかった。でも腰が引けると余計足下が不安定になって、水没することになる。2〜3回渡渉を繰り返すウチにMは唇まで紫色になって震えだしてしまった。
 太陽までもう少し。とりあえず、シャツをフリースに替えて進んだ。
 やがて日向に出た。太陽の有難味を心から感じる一瞬だった。

 坦々とした河原歩きではあるが、深い淵を避けると結構時間が掛かる。予定では2,100mから2,200mの森林限界付近まで登るつもりだったが、タイムアウト。
 2,000m付近の河岸段丘上にキャンプサイトを求めた。明日はまだ700m登らないと東沢乗越まで辿り着けない。天気が心配だったが、ペースが上がらなくては仕方がない。

小屋から少し進んだ所で沢に出た。ゴルジュだ↑

 未だ水量は多い。ザイルをフィックスして渡渉する。↑ 
 
昨日からだが、五色ヶ原が後に。→

赤牛もこんなに近い↓  

美しい沢が続く↑  お昼はソーメン。沢ならではだ↓
地下足袋が滑る。苦闘するT↑  真砂岳と東沢乗越、水晶岳の尾根が見える。↓

 う〜ん、それにしても遠い!↑



 ←ボウズかと諦めていたが、Mが一匹釣り上げた。
 岩魚ご飯にして皆でいただきました。




 2004年8月14日(土) 晴れのち雨のち曇り


 朝起きると、空の半分は快晴。でも北の稜線には雲がかかっていた。
 やはり予報通り天気は下り坂だ。頭上が晴天なので、
「今日も晴れだ!」と、呑気なことを言ってる者もいたが…
「おいおい雲の動きをよくご覧!」
 雲はどんどん速度を増して増えてきた。昼までは持ちそうにない。雨になる前になんとか乗越まで辿り着きたいと、思いつつ進んだ。
 水量はかなり減ったので、朝でもそれ程渡渉は苦にならなくなった。
 2ピッチ程で最後の分岐。森林限界を越えた。あたりはお花畑だ。残念ながら時期は遅くて、チングルマは全部お稚児さんの頭になっていた。ミヤマリンドウとかトリカブトなどの秋の花が目立った。二股を最初ちょっと間違えて右へ入った。途中から藪を一漕ぎして左股へ出た。東沢乗越はもう目の先だ。
 しかし、雨に追いつかれた。乗越は見えないと、分かりづらいのだが何とか勘を頼りにガスの中藪を漕いだ。一漕ぎ程で登山道に出た。場所は乗越の標識から30m程。まあ良しとするか。

 雨は本降りになった。乗越で靴を履き替えて真砂岳を目指す。湯俣への分岐は真砂岳のコルだ。乗越からこのコルまでが長かった。
 分岐からは下りになるかと思いきや、前方に南真砂岳が聳えていた。足下はしばしば崩壊地の上を通るので、気を許せない。固定のトラロープも何カ所かあった。
 皆疲れていつもの冗談も出なくなった頃、やっと湯俣のキャンプ場が見えた。
「 あそこまで下りれば、今日は終わる。」疲れた体に鞭打って頑張った。
 小屋で買った冷えたビールが美味かった。 温泉も最高だった。

晴天のように見えるが、怪しい雲が。。。↑
森林限界までもう少し。天気と競争なのだが…あまりペースは上がらない。↑

↓来し方を振り返る。随分あるいて来たものだ               いよいよ水晶の山頂もガスの中に↓

 いよいよ水晶の山頂もガスの中に↑

 

 ←来し方を振り返る。随分歩いて来たものだ。

 

 

美しい沢が続く↑  お昼はソーメン。沢ならではだ↓
地下足袋が滑る。苦闘するT↑  真砂岳と東沢乗越、水晶岳の尾根が見える。↓

 南真砂岳から真砂岳を振り返る。2600m付近から上はガスの中↑



 ←やっと着いた。湯俣温泉。
  山の中で温泉に入れるのは最高の贅沢かも知れない 。




 
 2004年8月15日(日) 雨のち曇り


 雨は一晩中降っていた。朝もテントを叩く雨の音で目が覚めた。
 朝食をテントの中で作って、小降りになった所で決心してテントから出た。
 林道を3時間程歩いて、高瀬ダムに着いた。
 タクシーはピストン輸送をしているとのことで、上がってきた2台をつかまえた。

 その後七倉荘の駐車場にデポしてあったTの車で扇沢へ移動。またまた温泉に入って帰名した。

高瀬ダムのダム湖。正面は針ノ木、手前に船窪が。↑
 ■コース・タイム
8月12日(晴れ)
時刻
場所
5:00
起床
5:30
後発K到着
7:00
トロリーバス乗車
7:20
黒四ダム発
11:30
平の小屋
15:00
奥黒部ヒュッテ
コバちゃん持参の天然馬瀬川鮎塩焼きを食す。美味。
19:00
就寝・満天の星
8月13日(晴れ)
時刻
場所
5:00
起床
7:00
奥黒部ヒュッテ発
11:30
昼食休憩
石川特製冷麦ネギ生姜梅干入りツユ
竿を出すが当たりなし。
16:00
東沢乗越まで700mを残し行動終了
竿を出すが岩
魚一匹のみ。特製岩魚ご飯。満天の星。
8月14日(晴れのち雨のち曇り)
時刻
場所
4:15
起床
5:30
出発
10:00
東沢乗越
カッパ着
13:00
真砂岳分岐
17:30
湯俣温泉着
8月15日(雨のち曇り)
時刻
場所
8:30
湯俣温泉発
11:30
高瀬ダム

 
写真 四方すすむ / 記録 村瀬典之