春スキーツアー 恒例・立山(真砂沢から剣沢)
【計画書#2004027】
春と秋にはやはり立山。立山に行かないことには始まらないし、終わらない。
ことしも恒例のツアーだが、懸案の真砂沢を滑ることが出来た 。
 
今年は雪が消えるのが早い。この日程で本当は内蔵助カールを滑る予定だった。
しかし、黒部川へ出る辺りの雪が心配だったので、急遽真砂沢に変更。
こっちは豊富な雪が迎えてくれた。↑これが真砂沢上部。ここからドロップ。
最初はちょっと急だったが、2〜3ターンもすると、夢のような広大な斜面。
 
 

日時:2004年5月15日(土)〜16日(日)
パーティ:四方(CL)、鈴木(SL)、村瀬、小林

 
     
 今年は雪の溶けるのがやたらと早い。どこもアッという間に雪が無くなってしまった。でもいつものように、剣沢は裏切らない。豊富な雪で迎えてくれた。
 真砂沢カールは前々から狙っていた。今年も2回立山を計画しているけど今回行かないと、また行けなくなってしまいそうなので「チャンス」とばかり真砂沢に向かった。

   結果的には良かった。土曜日は晴天で広大なカールを楽しく滑ることが出来た。
 翌日、下山日に台風のような低気圧が来て、土砂降りの中を歩くことになったのは、ちょっと辛かったけど 、当初の計画通り日曜に内蔵助カールを狙ったら、結局良い所は無しになってしまったはずだから。
 
 2004年5月15日(土) 晴れのち曇り

 前夜に名古屋を発って、深夜過ぎに立山駅に着いた。満天の星空だった。テントを張って軽く一杯。翌日いや本日の行動があるので、早々に寝た。
 6:00に起床。準備をして、撤収。始発(6:40)のケーブルは満員とのことだったので、ゆっくり出かけるつもりだったが、6:50に臨時が出ると言われて朝飯も食べずに出発。高原バスとの接続も良く、8時前に室堂に着いてしまった。朝食はバスの中でゆっくり食べることが出来た。立山経由で入るとやはり効率が良い(おまけに交通費が安くて助かる)。
 いつものように観光客の好奇の目にさらされながら、室堂ターミナルの屋上でシールを貼り、水を汲み、パッキングを確認して出発。今回はみくりが池を経由しないで、室堂山荘の先から称名川に沿って雷鳥沢へ向かうことにした。 室堂山荘の先までシールで歩き、雷鳥平目指して滑走開始。
  

 

 勿論、まだ沢は出ていないので快適に雷鳥平まで滑っていくことが出来た。
 雷鳥平の外れで再びシールを
貼って、大走りの登りに挑んだ。
 前半は傾斜がきつい。シール登高組は大きく斜めに斜面を切って登るが、クトーを持ってきた僕は直登気味に進むことが出来た。
 それでも2時間続く急斜面の登りは何回来ても辛い。
 今年は、稜線と標高の低い所はビックリする程雪の消えるのが早いが、1500m以上の山の中は例年以上の残雪なので、大走りの雪渓末端もかなり高かった。真砂沢のコルよりは遙かに高い2750m付近までスキーを履いて登ることが出来た。大走りの雪渓末端でシールを剥がしてスキーをザックに着けた。稜線付近は相変わらず風が強くて、ザックに着けたスキーが帆船の帆柱のようにあおられて揺れる。慎重に稜線を伝って、30分程で真砂沢のコルへ着いた。


↑室堂ターミナルからの立山連峰。右端が雄山、そして富士の折立、真砂岳、別山、剣御前と続く。(クリックすると拡大できます)
雷鳥沢で登りの準備。左は雷鳥沢から見た大走り入り口。緑の矢印のように、尾根を回り込むと、真砂岳の直下まで雪渓が続いているのだ。
 登りは結構きつい。でもだんだん緩くなって来るのだ。 シール登行の限界に挑むかのようだ。
 ↑大走りの最上部も近い。後には室堂平から雷鳥沢の大パノラマが広がっていて、まるで飛行機から見たようだ。
↑真砂沢のコルが近づいた。カールも見えてくる。あの大斜面に飛び込むのだ。
↑振り替えると雄山が黒々と聳えていた

 
 真砂沢のコルで大休止。差し入れの鱒寿司を食べた。行動食を更に追加してエネルギーの充填も怠りない。
 室堂にはスキーヤーや登山者が沢山いたし、雷鳥平までは一緒だったが、大走りを登ったのは我々だけだった。雷鳥坂を見ると蟻の行列のように沢山の人達が登っているのが見えた。

  これからが本山行のハイライトだ。
  我々も滑走の準備をして、真砂沢に飛び込んだ。雪は柔らかいザラメで滑りやすい。
 何て広いのだろう。この大カールを独り占めだ。思わず笑みが出てしまう。
 大パラ、中パラ、こんなに広いのだから小回りはもったいない。止まろうとして思わぬスピードが出ているのに気が付いたりした。
 カールの底に近づくとだんだん雨裂の筋が鬱陶しくなる。足を取られないようにスピードを加減して右岸伝いに滑った。(谷芯はどうしても雨裂が大きいのだ。)
 カールの途中で登ってきた一人の登山者に会った。下の方の状況を聞くと、出合手前の滝が出てきているそうだ。
「気を付けて右岸を巻いて行きなさい。」と、教えてくれた。
 カール底を過ぎると、やがてゴルジュ帯にさしかかる。両岸は切り立った岩壁になるが、谷底は十分に広く滑るには問題ない。前方に剣岳の尾根が見えてきた頃、滝があった。谷芯から10m程顔を出していた。上からは雪が盛り上がっているようにした見えなかったけど。ともあれ、 問題の滝もそれ程大きくなく、難なくクリア。 もう、剣沢の出合までもう少しだ。
 

 


 やはりスキーは速い。景色を楽しみながら、短めに切って滑った(いや足が保たなかったのだが…)が、40分程で出合に着いてしまった。
 後は剣沢小屋まで、延々と登るのだ。
 初めのうちは長治郎の雪渓を覗いたり、剣岳の岩壁に見とれたりしてそれなりに楽しかったが、平蔵谷の出合を過ぎる頃には飽きてしまった。それでも登らないと小屋に着かない。最後は苦行のようにひたすら登るのだった。
 途中で長治郎谷を滑り降りてきた若者達と一緒になった。平蔵谷はデブリがかなり煩そうだが、長治郎は綺麗に雪渓が続いていた。
  いつかここを滑ろう。しかし、登りが相当長そうだ(3時間位か?)。そして、滑った後にまたこの剣沢小屋への登りが待っている。…いやいや、リフトもないから滑る分は自分の足で稼がなくてはならないのが、ツアーだ。頑張って登ろう。

 ようやく剣沢小屋に着いたのは、16:00頃だった。出合から3時間余り。いつ登ってもここは辛い。楽しい滑降の後だから仕方がないが。。。
 小屋の前は騒然としていた。テレマーカーの女性が両腕を骨折したらしい。以前お世話になった(!)富山県警のヘリコプター 「つるぎ」がトンボのように飛来して、怪我人をアッという間に 運び去った。

 夜はやはり宴会になってしまった。でも、皆疲れていたのか、21:00頃には就寝。朝まで記憶はない。
 
 
  

↑目の前には針ノ木から白馬に至る後立山がずらりと並んで迎えてくれた。
↑これが真砂沢カール。広すぎてカメラの視野に入らない。入り口はちょっと急斜面
↑滑る、滑る。シュプールは思い思いに。
↑カール底が近づいた
↑アッという間にもう剣沢出合間近
↑真砂沢の滑走も間もなく終わり。剣沢出合直前。ゴルジュの中を滑る。両岸は切り立った岩壁。
↑剣沢出合から剣沢。ここを登るのだ。先は見えない。
↑剣沢から長治郎谷の上部を覗く。上部は急だが、楽しく滑れそうな気がする。
↑長治郎谷全景
↑こちらは平蔵谷
↑ともかく登る。

 2004年5月16日(日) 強風と豪雨

 明け方小屋を揺るがす風と叩きつけるような雨の音で目が覚めた。
 外へ出るのが憚られるが、それても行かないと帰れない。小屋は暖かく快適で、朝食もたっぷり。ここで晴れるのを待っていられたら〜、と何度思ったことか。
 意を決して、外へ出る。滝のような雨、叩きつける風。フードを被ると声も聞こえない 。

 それにしても何という風だろう。何という雨だろう。
 シールを貼って剣午前小屋を目指し登るが、視界は10m余り。風に吹き飛ばされそうになる。10歩もまともに歩けない。対風姿勢の合間に数歩歩く。そしてまた風の息を待つ。
 何回も通ったルートなのでコースの心配はないが、一体何時になったら午前小屋に到着できるのか、雨具を着ていても手や顔は濡れて冷たい、何回も心配になった。
 それでも一時間足らずで小屋に着いた。小屋の外でシールを剥がして下山の準備をした。風が強いのでスキーはザックには着けず手に持って雷鳥坂へ向かうことにした。

 
 午前小屋からの岩陵では風が渦を巻いて襲ってきた。吹き飛ばされたらタダでは済まない。ここが一番緊張した。
 ともかく雷鳥坂の上部で夏道から逸れて雪渓に降り立った。スキーを着けて雷鳥平まで下るのだ。雨なので雪は十分に緩んでいるかと思ったが、雨裂のてっぺんは氷のままだった。氷と水っぼい雪のミックスで、滑りにくいこと夥しかった。視界も悪いし、おまけにこの雨と風である。
 と、言う間に何とか雷鳥平に着いた。結局下りは15分余りだった。
 雷鳥平からシールを着けて室堂に戻ろうかとも思ったが、夏道で順当に帰ることにした。ザックにスキーを着けて、雷鳥荘までキックステップで登った。後はハイキングコースを坦々と歩くだけだった。
 室堂のバスターミナルは観光客でごった返していた。こんな天気なのに沢山の観光客がやって来るのだ。我々は高原バスで降りるが、観光客の大半は黒部湖の方へ行った。黒部ダムをこの天気の中歩くのだろう。ご苦労なことだ。
 我々もはるばる剣沢から来たのだから、人ごとではないが…

■コース・タイム
5月15日(晴れのち曇り)
 
5月16日(豪雨+強風)
時刻
場所
 
時刻
場所
6:50
富山地鉄立山駅
 
7:32
剣沢小屋
7:50
室堂バスターミナル
 
8:29
剣午前小屋
8:17
8:41
8:35
室堂山荘付近(滑走準備)
 
9:08
雷鳥坂雪渓上端
8:48
雷鳥平
 
9:25
雷鳥平
10:48
大走り雪渓先端
 
9:32
11:17
真砂沢のコル
 
9:54
雷鳥荘
11:36
10:32
みくりが池山荘
12:23
剣沢出合
 
10:48
室堂バスターミナル
12:46
12:38
富山地鉄立山駅
13:25
長治郎谷出合付近
     
13:53
長治郎谷出合上部
     
14:10
16:00
剣沢小屋
 
写真・記録 四方すすむ