7月26日(土)【晴れ】

 前夜11時鎌田さんをピックアップ、3時中房着。2時間ほど車中で仮眠。
 日本海の低気圧と前線が気にはなっていたが、とり合えず大天井まではと、合戦尾根に取り付く。
 週末だけあって結構な登山者の数。咳払いとストックの音で存在を示し、次々と追い抜かせていただく。
 今年は雪解けが遅かったのと登る時期がよかったのか、コマクサが満開。白い花崗岩礫の斜面にピンク色の水玉模様が可憐・・・
 30年振りの燕岳山頂を往復し表銀座を大天井ヒュッテまで。
 ガスに隠れていた北鎌尾根が昼過ぎから徐々にその姿を見せ始めた。
 佐藤は明日に余力を残すために小屋でごろごろしていたが、元気な鎌田さんは貧乏沢入り口の偵察と、牛首展望台へ写真を撮りに行く。頼もしいパートナー。

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7月27日(日)【晴れ後雷雨】

 穂高の稜線に少し雲はかかっているものの、星空がきれい。
 午後の雷を用心し予定より1時間早く出る。計算通り貧乏沢入り口で明るくなる。
 少し這松を漕ぐと明瞭な踏み跡にでる。大した悪場もなく踏み跡をたどって天井沢に降り立つ。上、下部に雪渓が残り時間短縮になった。
 北鎌沢出合で2人パーティと会う。昨夜西岳ヒュッテ泊で水俣乗越から下ってきたとのこと。踏み跡も不明瞭でぬかるんでいて大変だったらしい。
 お先に出発し右俣を詰める。背中から朝日を浴び体力の消耗が激しい。
 天狗の腰掛からは楽しい岩稜登攀が続く。
 独標は巻いたが、あとはほぼ完璧に稜線をトレースし、1時前には北鎌平着。
 頂上まであと1時間、大天井ヒュッテから10時間の楽勝ペースかと思ったが、心配していた笠方面の積乱雲が近付き雷鳴も大きくなってきた。
 わざわざ避雷針に登るのもヤバイなと思いつつ穂先の基部に近付いた頃、いよいよ雨が落ちだした。
 稜線から天井沢側に少し下ったところに半身が隠れるほどの岩陰を見つけ、ツェルトを被る。風雨が強まり、閃光と轟音の魔の饗宴が始まった。
 近くに雷が落ちるたび、無事だった事にホッとしつつ、寒さと恐怖に耐えながら待つこと4時間。
 やっと嵐もおさまりツェルトから出るとガスが切れ、槍の穂先が姿を見せた。今だ!
 岩が濡れているので安全のため最後の2Pはザイルを出し、頂上に抜け出た。
 出合の2人と途中で抜いた4人パーティーの安否を心配したが、全員槍ヶ岳山荘にたどり着き安堵。直後から再びガスに包まれ、暴風雨に・・・

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7月28日(月)【雷雨】

 夜が明けても濃いガスと強風。中房に車があるので表銀座を逆行したいが、この天候の中、東鎌尾根は危険と判断。
 予備日は1日あるが上高地に下山する事にする。
 槍沢を下り始めると朝っぱらからまた雷が鳴り雨が降り始めた。槍沢も安全とは言えず、樹林帯まで急ぐ。槍沢ロッジでホッと一息。
 しかし、この天候の中たくさんの登山者が槍沢を登っていく。事故のないことを祈りつつ梓川街道を河童橋目指した。

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●コース・タイム

日時 時刻 場所 標高(m)
7/26
0630 中房温泉  
0835 合戦小屋  
0940 燕山荘  
1010 燕岳  
1040 燕山荘  
1311 喜作レリーフ  
1358 大天井ヒュッテ  
7/27
0408 大天井ヒュッテ  
0428 貧乏沢入り口  
0633 北鎌沢出合  
0850 北鎌のコル  
1018 独標基部  
1250 北鎌平  
1320 大槍基部にて停滞  
1720  
1815 槍ヶ岳山頂  
1820 槍ヶ岳山荘  
7/28
0535 槍ヶ岳山荘  
0800 槍沢ヒュッテ  
0930 横尾  
1020 徳沢  
1120 明神  
1200 上高地  

記:佐藤・写真:佐藤・鎌田
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大荒れの週末、僕たちは痩せた北鎌の岩稜にしがみついていた・・・

25年前の冬の北鎌。そして今回の夏の北鎌。どちらも楽には登らせてはくれませんでした。それが北鎌尾根の魅力なのかもしれません・・・